PMIとは-M&A成功の鍵-

みなさん、こんにちは。中小企業診断士の風間大輝です。

令和4年3月に中小企業庁より、「中小PMIガイドライン」が公表されました。中小企業においてもM&Aが選択されるケースが急増してきており、PMIが中小企業にも必要となっているという背景から公表されたと考えています。官公庁も認識している通り、経営資源が限られている中小企業においても、PMIがM&Aの成功の鍵となっていきます。

M&Aという言葉は、一昔前はあまり聞きなれない言葉、もしくは会社の乗っ取りなど悪いイメージのものでした。しかし、最近ではよく耳にするようにもなり、多くの方に認知される言葉になりつつあるものと感じています。特に、前回の年末年始ごろに、某大手M&A仲介企業の「ライオンの頭の男性が登場したCM」が流れた時には非常に驚きを感じたのと同時に、広く一般的に周知されるようになってきたのだと感じるようになりました。

 

それでは、「PMI」という言葉はみなさんご存じでしょうか。おそらく、あまり聞きなれない言葉ではないかと存じます。PMIは「POST MERGER INTEGRATION」の略称になります。日本語で端的に言えば、「M&A成立後の統合に向けた作業」です。中小PMIガイドラインでは、「M&A における最終契約の締結・決済はいわば『スタートライン』に過ぎず、その後の統合等に係る取組こそが重要である」としています。さらに、「PMIの重要性についての理解すら中小企業には十分に浸透していない」とも記載しております。確かに、私自身、M&Aの仲介会社に勤務しているときはどうしても「案件の成約」がゴールとなっており、その後の統合作業に目を向けることはございませんでした。しかし、肌感でこの統合作業は必要不可欠なものだろうということは感じておりました。

中小PMIガイドラインにはM&A実施後の総合的な満足度に関するアンケートを掲載しています。満足度への回答のうち約24%が「期待を下回っている」と回答しています。M&Aの1/4がその目的を達成できていないというのは驚きです。その理由として最も多かったのが「相乗効果が出なかった」という回答でした。そもそものM&Aの目的は、「相乗効果を発揮してグループとしての成長を図る」というものであるはずなのに、それが達成できていないケースが発生しているということです。つまり、「M&A成約」がゴールとなってしまったケースであると予測されます。このような事態を防ぐためにも、PMIが必要不可欠であると考えられます。

PMIの取組とはどのようなものでしょうか。以下の三つの領域に分類されるとされています。

① 経営統合   :経営方針のすり合わせ、経営体制構築等

② 信頼関係構築:役職員及び取引先との関係構築

③ 業務統合   :事業や管理・制度の統合

上記のようなイメージになりますが、非常に多岐に渡ることになります。もちろん優先順位をつけて実施していくのですが、経営資源や登用人材が限られている中小企業にとっては全てを自社で行うことは非常に難しいです。そこで我々中小企業診断士のような支援機関をご活用いただくことをおすすめします。可能であれば、M&Aの初期の段階からご相談いただくとPMIへの取組もスムーズになるものと存じます。また、中小PMIガイドラインにおいても、中小企業診断士等の支援機関を活用することが有効である旨記載をしております。

これから、経営の選択肢の一つとしてM&Aを検討される企業は増加していくものと存じます。これからM&Aに取り組まれるみなさんには、M&Aの成立をゴールとせず、PMIに取り組んでいくことで、本当の意味で「M&Aの成功」を導き出していただければと存じます。そのためにも、我々中小企業診断士にぜひご相談をいただければと存じます。

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