ビジネスのヒントを見つけるユーザーエクスペリエンス
apple watchの予約がはじまりました。ものすごい人気のようで、6月分まで売り切れとも言われています。
まだ、この時計の機能をよく理解できていませんが、ipod 、iPhone 、iPad の時のように、今までの生活スタイルが大きくかわりそうな期待感があり、ワクワクしています。
さて、次々に革新的な製品を世に送り出す、apple社ですが、その成功要因の一つに「ユーザーエクスペリエンス」の徹底があります。私はこれを「顧客体験を究極まで徹底的に追及する」と捉えています。
例えば、ipodやiPhoneではイヤホンのジャックを抜くと音楽は自動的に一時停止します。このおかげで、誤ってジャックが抜けてしまった時でも周囲に音量が漏れて恥ずかしい思いをしなくてもよいのです。
多分、今回の時計でも同様に素晴らしい機能がいくつも搭載されていると思いますが、時計好きの私が着目したのは、ベルトです。
金属を布のように編み上げた「ミラネーゼループ」や「レザーループ」と呼ばれるバンド。何れも、何処にでもありそうですが、ロックの方法がマグネット式で、手首のサイズに合わせて無段階調整ができます。
何百年もの歴史があり、有名ブランドも多い腕時計業界ですが、なぜ今までこういったタイプのベルトが世に送り出されてこなかったのでしょうか?
革新的な技術を採用しているわけでもありませんし、大幅にコストがあがるわけでもありません。
ただ、ユーザーが時計を使う時の体験を徹底的に追及した結果の産物のような気がします。
数年前に世界最大手の医療メーカーの役員と話した時も同じような事を語っていました。「私たちは、リスクを冒して新しい技術を使おうとは思わない。むしろ、既に確立された技術を徹底的に使いこなすことで安全とコストパーフォーマンスを両立しつつ、ユーザーにとっての使いさすさを徹底的に追及する。また、そのための議論を社内で徹底的に繰返し、一度決定したら最後までぶれない」と語りながら、ある商品を見せてくれました。
商売やビジネスの形は違っても、この考え方の中に企業が現状を打破しながら、成長していくためのヒントが隠されているような気がします。
御社は、常識を疑い、ゼロベースで、ユーザーの使いやすさや利便性を徹底追及していますか?
平田