SDGs「17.パートナーシップで目標を達成しよう」の大きな効果
こんにちは、中小企業診断士の岡本です。普段から新事業に携わることが多い私ですが、今回はパートナーシップでSDGsの目標達成に取り組む事例を紹介します。
ちなみに、セミナー等では何度もお伝えしておりますが、SDGsは「社会貢献」でも「ボランティア」でもありません。ビジネスです。正当な対価を頂くことで、企業が持続的に発展する。企業が発展するからこそ、環境・社会・経済の課題解決を行うことができる。この前提を元に、下記のコラムをお読みください。
さて、SDGsの17番目には「パートナーシップで目標を達成しよう」というゴールがあります。実はこのゴール、中小企業にとって絶対に取り組まなければならないゴールでもあります。
それは何故でしょう? 少しだけ考えてみてください。
答えは、「自社の弱みを無視して強みに集中できるから」です。例えばA社が新規に事業を起こす場合、商品・サービス開発、マーケティング、組織体制の構築、資金調達など、様々な業務を行わなければなりません。しかし自社の人材や資金に乏しい場合、このような事業は大抵失敗してしまいます。
これをSDGs「17.パートナーシップで目標を達成しよう」で同じように新事業を行ってみましょう。A社だけでなく、B社とC社も参画しました。A社は最も得意な商品開発を担い、B社も同じく自社が得意とする製造を担いました。C社も同じく、自社が得意とするマーケティングや営業を担いました。
すると一度に得られる利益は少なくなりますが、新事業のリスクを3分の1以下に抑えることができます。なぜ3分の1ではなく3分の1以下であるかというと、それぞれが最も得意な分野に集中しているからです。その分だけ、リスクは通常よりも低くなります。
気がついた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「それって単なる企業間の連携じゃん。どう違うの?」と。
ここからがSDGsのちょっと面白いところかもしれません。SDGsに取り組んでいる企業は、全てがそうとは言いませんが、目指すべきゴールが似ていることから企業理念や価値観も非常に似ているのです。このため、通常の企業間連携よりも素早く、強く、そして短期の利益を追わない連携を行うことが出来ます。
実際にこのような連携は、今まさにリアルタイムで起こっています。例えばキャンプ用の鍋を製造するD社。今までにないキャンプ場を運営するE社。シェアオフィスを運営するF社。そしてこれらの事業者を陰でサポートするG社。それぞれが連携し、互いの顧客にとって最も価値のある提案を行っています。
今、あなたの会社は何を目標に事業を行っていますか?
その目標は環境や社会や経済を良くするものですか?
同じ志を持つ仲間を意識したことがありますか?
繰り返しますが、SDGsは「社会貢献」でも「ボランティア」でもありません。ビジネスです。ビジネスでありますが、みんな将来の世代にツケを残さないため、今自分たちにできることを同じ志の仲間と共に精一杯取り組んでいます。
SDGs「17.パートナーシップで目標を達成しよう」は、3年後に中小企業のスタンダードになっています。これは間違いないでしょう。だからこそ今から仲間を見つけ、パートナーシップを組みながらSDGsに取り組んでみてください。
そこには必ず、自社を良くするヒントが沢山あります。