ECRSの原則
中小企業診断士の武田です。2017年版中小企業白書によると、人材不足によって「新事業・新分野への展開が停滞している」との回答は58.4%、「需要増加に対応できず機会損失が発生した」には70.6%と、人材不足で商機を生かせない懸念が高まっていると報道されました。
県内の有効求人倍率は1.7倍と高く、新たな人材を確保することも困難な上、少子高齢化や働き方改革の一環による長時間労働の抑制等、今後益々、人手不足による影響が高まっていくことが予想されます。
この状況の中、まず出来ること・すべきことは、業務改善による効率化に取組むことです。そこで今回は、ECRSの原則をご紹介します。
Eliminate:排除できないか
Combine:統合できないか
Rearrange:交換・並べ替えられないか
Simplify:簡素化できないか
E→C→R→Sの順に現在の作業を見直していきます。
E(排除)日々当たり前のように行われている作業も「そもそもこの作業は必要なのか?」と改めて考え、目的も含めて価値を生まない無駄な作業をなくすことです。
C(統合)「分業化されている作業をまとめることで効率化できないか?」という視点で見直します。1ヵ所に集めて作業をする、類似の作業や書類を統一するなどです。
R(交換・並び替え)「作業の順番や方法を変更することで効率化できないか?」営業や配達のルートや日程を見直し時間短縮することや、いつ終わるか分からない朝の会議を夕方に変えることによって朝から効率的に活動できる体制にすることも必要かもしれません。
S(簡素化)「この作業をよりシンプルにできないか?」作業をシンプルにすることは、時間の短縮に加え、ミスを少なくすることや標準化(誰にもできる)にも効果があります。
この4つの切り口で現在の作業を見直し、直面している人材不足の問題を生産性向上の絶好の機会と捉え、さらなる会社の成長へとつなげましょう。