AIの利用をめぐるリスクとその対応

中小企業診断士(兼情報処理安全確保支援士)の麻生です。QMS(品質マネジメントシステム)とISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の運用・維持を推進する部署で仕事をしています。今年も1月末に「情報セキュリティ10大脅威(組織)」が公開されました。昨年比で1位2位の脅威は変わりませんでしたが、新たにAI関連のリスクが3位にランクインしています。

1位 ランサム攻撃による被害
2位 サプライチェーンや委託先を狙った攻撃
3位 AIの利用をめぐるサイバーリスク
(以下略)

解説を読むとAI関連のリスクとして以下の問題をひとまとめにしています。
① AIに対する不十分な理解による、意図しない問題(他社の権利侵害、情報漏えい)
② AIが加工・生成した結果を鵜呑みにすることにより生じる問題
③ AIの悪用によるサイバー攻撃の容易化、手口の巧妙化

AIに不用意に入力した情報が漏えいにつながる①や、ハルシネーションと呼ばれる誤情報の生成②についてはよく知られているところです。③にはさまざまあると思います。メールによるテキストベースの詐欺だけでなく、AIで生成した音声や動画を用いた詐欺も発生しているようです。AIにランサムウェアを作らせて逮捕された学生の事案もありました。関連してAIそのものに関しても動画生成AI「Sora」のアプリやインターネットサービス提供終了が話題になっています。大量リソースの消費や著作権侵害の懸念などの問題があり、現時点ではビジネスとしてバランスが取れないようです。

一方で技術の進歩を追いかけるように2023年にAIに関するマネジメントシステム(ISO42001)が制定され2025年にJIS化されました。これはいわばPDCAの枠組みでAIとそのリスクをマネジメントしようとする規格です。また2024年に発効した「EU AI法」が2026年8月から本格施行されます。これはAIをリスクの観点で分類し、悪影響の大きさに応じて利用を規制するもので、違反には巨額の制裁金が課されるとのことです。国内でもAI推進法やAI事業者ガイドラインなどの整備が進められています。

このようにAIを取り巻く状況はめまぐるしく変化しています。AIは大変便利でその進歩に驚かされることもたびたびありますが、リスクとそのコントロールやコンプライアンスの動向を注視する必要がありそうです。

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