炭素会計アドバイザー

長野県中小企業診断士協会の会員の五味誠です。
この夏は、これまでにない「酷暑」であり、また、ものすごいゲリラ豪雨や竜巻の発生など、何かと「異常気象」や「地球温暖化」といったことが気になることとなっています。
加えて、2025年9月の国連総会において、この「地球温暖化」に対する議論がニュース・新聞で話題となったことを記憶しております。
このような中において、「炭素会計アドバイザー」というものについて、少しご紹介したいと思います。
2022年7月に愛知県名古屋市にて設立された「炭素会計アドバイザー協会」では、「気候変動に関する国際会議であるCOPで1997 年に採択された京都議定書、2015 年に採択されたパリ協定をはじめとして、世界および国内の動向があり、2021年頃から、世界は脱炭素に向け一気に動き出した。」としています。
そして「近年の世界の動き」として、「新型コロナウイルスによるパンデミックによって、世界の経済活動が低迷し、世界の温室効果ガス排出量も一時的な低下傾向を見せた。そうした中、経済低下からの再起を図るのに際し、脱炭素社会など環境問題への取り組みも併せて行おうというアフターコロナの政策の1つで、グリーンリカバリーという考え方が登場。」、また、「近年の日本の動き」としては、「日本政府は地球温暖化対策計画を2021年10月22日に改訂し閣議決定。地球温暖化対策計画は、地球温暖化対策推進法に基づく政府の総合計画で、2016年5月13日に閣議決定した前回の計画を5年ぶりに改訂。政府は、2021年4月に、2030年度において温室効果ガス46% 削減(2013年度比)を目指すこと、さらに50%の高みに向けて挑戦を続けることを表明。改訂された地球温暖化対策計画は、この新たな削減目標も踏まえて策定したもので、二酸化炭素以外も含む温室効果ガスの全てを網羅し、新たな2030年度目標の裏付けとなる対策・施策を記載して新目標実現への道筋を描いている。」としています。
環境省公表の「サプライチェーン排出量の算定と削減に向けて」や「炭素会計アドバイザー」を管轄する同協会においては、「パリ協定は、2015年12月にパリで開かれた第21回目の国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)で採択。パリ協定が発効するためには、① 55カ国以上が参加すること、②世界の総排出量のうち55%以上をカバーすることの2つの条件が設定。地球温暖化について世界各国の関心が高まっていたこともあったので、2つの条件を満たすことができ、 2016年11月に発効。パリ協定の主な合意内容について、1点目は、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて 2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をすること、2点目は、世界の温室効果ガス(GHG)排出量をできるかぎり早くピークアウトし、21世紀後半には、GHG排出量と(森林などによる)吸収量のバランスを取ることとし、温室効果ガスの排出量を、森林などによる吸収量やCO2 回収技術などによる回収量と差し引きで正味ゼロにする 『ネットゼロ』等を導入として明記したうえで、「カーボンアカウンティング(炭素会計)」について次のとおりに取組みを推進しています。
<カーボンアカウンティング(炭素会計)サイクル「現状把握:重要な基準GHGプロトコル」>
〇サプライチェーン排出量
・事業者⾃らの排出だけでなく、事業活動に関係するあらゆる排出を合計した排出量を指す。つまり、原材料調達・製造・物流・販売・廃棄など、⼀連の流れ全体から発⽣する温室効果ガス排出量のこと。
・サプライチェーン排出量=Scope1排出量+Scope2排出量+Scope3排出量
・GHGプロトコルのScope3基準では、Scope3を15のカテゴリに分類
〇Scope1:事業者⾃らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、⼯業プロセス)
〇Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使⽤に伴う間接排出
〇Scope3:Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)
〇Scope3の15のカテゴリ分類
①購⼊した製品・サービス、②資本財、③Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー活動、④輸送、配送(上流)、⑤事業から出る廃棄物、⑥出張、⑦雇⽤者の通勤、⑧リース資産(上流)、⑨輸送、配送(下流)、⑩販売した製品の加⼯、⑪販売した製品の使⽤、⑫販売した製品の廃棄、⑬リース資産(下流)、⑭フランチャイズ、⑮投資
中小企業の経営にも、「炭素会計」の視点を入れていただき、自社のサプライチェーンにおける環境への意識を高めてみてはいかがでしょうか。
<出典>
炭素会計アドバイザー協会 https://www.caai.or.jp/index.html
環境省公表「サプライチェーン排出量の算定と削減に向けて」








