ホワイト企業・モーレツ企業・プラチナ企業

プラチナ企業とは?
本年5月7日の日本経済新聞にプラチナ企業のランキングが掲載されました。

  
企業を労働環境と業績の関係から「ホワイト企業」「モーレツ企業」「プラチナ企業」の3つに分類されます。
ホワイト企業は働きやすいが働き甲斐がない「平成的働き方の企業」。
モーレツ企業は働き甲斐はあるが働きにくい「昭和的働き方の企業」。
プラチナ企業は働きやすく働き甲斐も持てる「令和で目指す働き方の企業」。
では業績的にはどうかを見ると2022年までの10年間の年平均売上高伸び率をみるとホワイト企業が4.6%、モーレツ企業が6.6%、プラチナ企業は7.8%であり、社員のやる気が高まる企業ほど生産性が上がり業績が向上することが示されています。

エンゲージメントとウェルビーイング
さらに最近は職場におけるエンゲージメント(企業への信頼・自発的な貢献意欲)やウェルビーイング(幸せで満足した状態)という言葉もよく目にするようになりました。これらの言葉も社員の働き甲斐と密接な関係を持ったものです。社員は職場で気持ちよく働いて働き甲斐を感じられれば職場へのエンゲージ度が高まり、その状態を維持することにより幸福感を得られます。

社員のやる気を高める
ではどのようにすれば社員のやる気を高めることができるのか?働き方改革で残業規制を設けるなど外圧的な改革だけで達成できるものではありません。根本的には社員本人がなすべきことを自覚して行動し、働き甲斐を持てる労働環境を構築することが必要です。

社員の強みを活かす
自分の持つ強みが仕事で発揮できて成果につながっていれば社員の満足度は高まり働き甲斐を持つことができる。ギャラップ社のデータによれば強みを活かしている人は活かせてない人よりエンゲージ度が6倍高い。因みに社員のエンゲージ度はOECD加盟国平均が20%に対し日本は5%となっている。また、強みに意識を向けているチームはそうでないチームに比べて生産性が12.5%も高い結果が示されている。

クリフトンストレングスファインダーで強み資質を認識する
社員が持つ知識や技能を強みとして活用できればそれに越したことはないがチーム組織と
しての職場では全員の満足度を高めるのは難しい。そこで各自が持つ「資質」に着目して強み(ストレングス)資質を活用することでエンゲージ度を高めようとするのがクリフトン・ストレングスファインダーです。資質は個人の思考・行動・感情の基になっている才能がブドウの房のような塊としてとらえられており、下の図表のように34の資質があります。

例えば、達成欲の資質の持ち主は並外れたスタミナがあり、旺盛に仕事に取り組み、多忙で生産的であることに大きな満足感を得る。親密性の持ち主は他の人たちと親密な関係を築くことに喜びを覚え、目標達成のために仲間と共に努力することに深い満足感を感じる。などです。ストレングステストを受けることにより自分の資質の強い順ランキング結果が出るとともに、その解説により自分の強みを客観的に再認識し自信を持つことが出来ます。

強み資質の認識を深め活用する
通常人は資質のトップ5を無意識に活用して活動しています。トップ5の資質は人により資質構成が異なっており、自分は当り前のことでも他人は当り前ではないことが多いのです。責任感の資質が高い人は責任を果たすことに執着します。一方同資質が低い人にとっては責任に固執しないことがありますが、他の強み資質を使って活躍し他人に認められていると言うことが多々あります。このように資質の特徴を正しく認識することにより、どのように使えば強みを発揮できるかを意識して資質を活用できるようになります。

資質を共有しあって活用する
強み資質をより活用するためには、夫々が持つ異なる強み資質をチームメンバーが共有しあい、強み資質の貸し借りをすることが有効です。これによりお互いの人格を理解しあえるとともに、相互依存の関係を築くことにより強みを発揮する環境が出来上がります。この環境は小さな組織ほど作り易いです。この環境の基にメンバーが強みを発揮すればエンゲージメントが高まり、働きやすくて働き甲斐が持てるプラチナ企業の誕生となります。
企業の採用環境が厳しくなっており更に働き方改革を求められている昨今、また若者の価値観や働き方が多様化している状況において、プラチナ企業は時代が求める企業の姿と言えます。
ストレングスファインダーの本:「さあ、才能に目覚めよう」日本経済新聞出版社
なお、長野県中小企業診断士協会のコーチング研究会ではクリフトンストレングスファインダーを研究テーマの一つとしています。ご興味のある方はご連絡ください。

中小企業診断士 片桐文夫

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