自分自身を知る

こんにちは。中小企業診断士の中澤俊成です。

春から夏にかけてのこの時期は、天気予報や仕事の予定と睨めっこしながら、週末の限られた時間を複数のアウトドア関連の趣味に振り分けるのが日課となっています。そんな趣味の中でも社会人になってから始めて歴だけは長い、そしてなかなか上達しないゴルフについて少し話しをしたいと思います。

若かりし頃は技術を高めるのが上達の近道と思って、足しげく練習場に通いハウツー本を読み漁りましたが、最近は技術以外のところに関心が移ってきています。きっかけとなったのが伝説のアマチュアゴルファー中部銀次郎氏(故人)の著書「ゴルフの神髄」を読んでから。「技術を磨くことより心の内奥に深く問い続けることが大切」、「自分の力を、甘くなく辛くなく正確に把握する。そこから全ては始まる」といった格言のような呟きが心に刺さりました。残念ながらゴルフ場スタートホールのティーショット直前までは、それらを覚えているのですが…その先で思い出すのはプレー終了後に後悔する頃。中部氏が言うところの「自分を知り、自分のショット力を基に、徹底的に確率を重視したゴルフを自分に課す」が頭では理解できても、なかなか実行できません。「自分自身を知る」ことが如何に難しいかを毎回のように感じています。

話しは変わって。私自身、二つの会社の代表を務めていますが、一年前に縁あって実業の事業(従業員含む)を譲り受けたB社は、今まで10年間にわたり私が経営してきたA会社(実質的には個人商店レベルのコンサル会社)とは全くの別物。社員10人(パート含む)の小規模企業なのですが、経営の教科書で学んだことや経営診断実務等を通じた経験はある程度役立つものの、バリューチェーン構成要素である主活動(→開発→仕入→製造・加工→販売→顧客→)と支援活動(ヒト、モノ、カネ、情報)のリアルな相互作用による複雑性と多様性は、先の読めない外部経営環境変化と相俟って、当初想像していたレベルを遥かに超えています。

経営診断業務では「経営状況を適時適確に把握する仕組み作り」を提言することが多いのですが、いざ実際に自分がやってみると、複雑性と多様性の高い会社の経営状況を適時適確に把握することの難しさが身に沁みます。事業規模が大きくなればなるほど、この難しさは強くなるに違いありません。不確実性の高い経営環境の中で自社の経営状況を正確に把握し、適切な意思決定と行動によって、事業や組織を成長させている多くの経営者に対して尊敬の念を覚えます。

「自分(自社)の力(状態)を、甘くなく辛くなく正確に把握する」ことが、ごく当たり前にできるよう何事にも意識しながら日々を重ねていきたいですね。そのレベルに達すれば、ゴルフは夢の○○台達成、そして会社経営は…どうなってるんでしょう?

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