キャッシュレス決済の今後について
須坂市在住の中小企業診断士、坂詰史博と申します。
さて、今日はにわかに盛り上がりをみせていますキャッシュレス決済の話題について。
消費者目線でみると、「〇〇パーセントポイント還元」などが盛んに行われていて、また消費増税対策のポイント還元も行われることから現金よりお得な決済手段というイメージがあるかと思います。
でも、販売者目線でみるとそのポイントの原資はお店側が手数料という形で負担することになるので、果たして安くはない手数料を払ってまで導入するべきものなのかとお悩みの事業者様も多いのではないでしょうか。
8月28日に、株式会社ジェーシービーより、「決済速度に関する実証実験結果」というレポートが公表されました。
これによると、レジでの会計時にかかる時間は、非接触型(QUICPAY)8秒、クレジットカード12秒、QRコード17秒、現金28秒と大きな差があることがわかりました。
この結果をもとに、たとえば昼時のコンビニでレジ1台に10名の長蛇の列ができていた時のことを考えてみましょう。すべての客が現金で支払った場合、決済にかかる時間だけで280秒ですから、スキャンや袋詰めを考えればゆうに5分以上は待つことになります。すべての客がQRコードで払えば170秒。決済にかかる時間が2分近く短くなります。これは大きな差です。
折しも少子化でアルバイトをはじめ従業員の採用が困難な時代です。現場の作業量の軽減に貢献するキャッシュレス決済は、コンビニエンスストアなどの業種では本当に貴重なものだと思います。レジ待ち時間短縮は顧客満足度の向上にもつながることから、今後も大手小売・サービス業を中心にキャッシュレス決済は推進されていくと思われます。
さて、日々の生活でお得なキャッシュレス決済に慣れてしまった消費者は、果たして「現金でしか売らないよ」という店で好んで買い物をするでしょうか?早めの対応が望まれます。