ブランディングは「言葉」から始めよう

こんにちは。中小企業診断士の藤井亜子です。私は、診断士として経営支援に携わりながら、ロゴやチラシ、ホームページなどのデザイン制作も行っています。
“デザイナー”という肩書きから、見た目を整える専門家と思われることが多いのですが、私が支援の中で最も重視しているのは、「言葉を整える」ことです。
「まずはロゴをつくりたい」「チラシを刷新して集客を強化したい」といった相談をいただくことは多いのですが、その前に必ず行うのが、「何を、誰に、どう伝えるのか」という問いを一緒に考えることです。
この言語化のプロセスが曖昧なままだと、どんなにデザインの完成度が高くても、伝えたい相手にうまく届かず、「おしゃれだけれど、何を伝えたいのかがわからない」といった状況になりがちです。
一方で、言葉がきちんと整理されていると、次のようなメリットがあります。
• 誰に向けたサービスなのかが明確になり、ターゲット設定がぶれない
• 情報発信のトーンや方向性が統一され、媒体ごとの違和感がなくなる
• 顧客から共感を得やすくなり、選ばれる理由が見える化される
• 外部パートナー(デザイナー・ライター等)への依頼もスムーズになる
つまり、ブランディングのスタート地点として、「言葉で整理する」ことは、事業の土台づくりとも言える重要な工程なのです。
ここで、経営者自身が一人で悩み続けるよりも、第三者の視点が入ることで整理が一気に進むケースは少なくありません。
とくに中小企業診断士は、事業全体の構造や方向性を俯瞰して捉え、客観的な問いかけや言語化の支援ができる存在です。
「うまく伝えられないけれど、頭の中には想いがある」という経営者にとって、診断士との対話は、自社の魅力や強みを再発見する貴重な機会になることも多いと感じています。
ロゴやチラシといった“かたち”をつくる前に、一度立ち止まって「言葉で整理する」こと。そして、そのプロセスを進めるパートナーとして、ぜひ中小企業診断士をうまく活用していただければと思います。