日常が非日常に変わる前に

こんにちは。中小企業診断士の小林雅典です。
私は普段、消防団員として地域の安全を守る活動を行っています。式典への参加や各種訓練、火災予防の広報など、さまざまな活動を通じて防災意識を高めるために尽力しています。
先日、近隣の住宅で火災が発生しました。消防団員として消火活動に参加した私は、初めての災害対応ということもあって、現場の緊張感を身をもって感じました。幸いにもけが人が出ることはなく、数時間後には火を消し止めることができました。このような結果に安堵しつつも、改めて「災害は突然やってくる」ということを強く実感させられた出来事となりました。
改めてこの経験を振り返ると、企業経営においても、災害は大きなリスクの一つであることを考えさせられます。万が一、事業所で火災が発生したり、地震が襲ったりしたら、どのような影響を受けるでしょうか。また、自然災害だけでなく、近年増加しているサイバー攻撃も、大きな脅威として見逃せません。
私たちの「日常」は、ある日突然「非日常」に変わることがあります。このようなリスクに備えるためには、平時の備えが極めて重要です。
その具体的な対策手段の一つとして、「事業継続力強化計画(通称:ジギョケイ)」を策定することから始めてはいかがでしょうか。
ジギョケイとは、予期せぬ災害や事故が発生した際にも、事業を継続できるようにするための計画です。あらかじめ決められたフォーマットがあり、企業は自社の内容を記載して作成することができます。
さらに、このジギョケイを提出して認定を受けることで、以下のようなメリットを受けることができます。
– 設備投資に必要な資金について、日本政策金融公庫による低利融資を受けられる
– 民間金融機関から融資を受ける際、信用保証協会による保証枠の拡大が受けられる
– 防災・減災設備の導入を行った際に、特別償却16%を適用できる
– ものづくり補助金などの一部補助金で加点措置(優遇措置)を受けられる
– 認定ロゴマークの使用で、企業ブランディングに活用することができる
とはいえ、これはあくまでもオマケのようなもの。
あくまでもジギョケイ策定の本質は、災害への備えを強化し、企業の持続可能性を高めるために、平時に備えておくためのものです。
私たちが当たり前と感じている日常は、当たり前ではありません。
非日常は突然やってきます。
その日に備えて、自分たちの事業所が災害に対して十分な備えをしているか、改めて確認していただければと思います。
ジギョケイに興味がありましたら、長野県中小企業診断士協会にお問い合わせください。