SWOTワークショップを実施!知的資産(強み)を発掘しましょう

皆さん、こんにちは。中小企業診断士の木内清人です。
これまでのコラムでは、知的資産(強み)を認識し、見える化し、そして周囲に伝えることの大切さをお伝えしてきました。
第2回『知的資産(強み)を発掘!見える化しましょう』の中で、「お客様からの評価や感謝の言葉をヒントに、従業員と一緒に強みを話し合ってみましょう」と提案しました。
今回はその“話し合いの場”として効果的な「SWOTワークショップ」をご紹介します。
※第2回の記事は、こちらからお読みください。
SWOT分析は、「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の4つの視点で、会社の内部・外部環境を整理し、戦略を考える手法です。
このSWOT分析を、経営者と従業員の皆さんが一緒にグループで行うのが「SWOTワークショップ」です。SWOTワークショップは、少人数のグループに分かれ、内部環境(強み・弱み)と外部環境(機会・脅威)を整理します。
SWOTワークショップでは「なぜお客様が当社の商品やサービスを選んでくださるのか?」を話し合う中で、普段気付いていなかった“強み”が次々と見えてきます。「接客が丁寧」「地域の評判が良い」「独自の技術がある」など、他社にはない魅力を再発見できるのです。
その後、「クロスSWOT」と呼ばれる手法で、出てきた要素を掛け合わせながら、今後の戦略を検討します。
戦略は「強みを活かして機会を掴む」「弱みを克服して機会を掴む」といった視点で検討し、実効性の高いものを全員で優先順を付けます。最後に、各グループが議論の成果を発表することで、他のグループの気づきや視点も共有します。
このワークショップの特徴は、経営者だけでなく従業員が主体的に参加する点にあります。さらに、各グループには外部の専門家(中小企業診断士など)が「コーディネータ」として加わり、議論を進行・整理します。こうすることで、立場や声の大きさに左右されず、誰もが意見を出しやすくなります。また、なぜ受注できるのか、お客様が何を評価しているのかなどを参加者から聞き出し、強みやその要因、具体例をより多く引き出すことで、強みを認識して参加者で共有することができるのです。
従業員は会社のことを真剣に考え意見を言う場が得られ、会社や事業、自社の商品・サービスのことをより深く理解できるようになります。また、経営者の想いや方針が従業員に伝わるとともに、従業員からの率直な意見や現場の声も自然と引き出され、組織の一体感が高まります。
実際に行った企業では、「従業員が会社のことを真剣に考え、自ら意見を出すようになった」「自社の強みを言語化でき、補助金申請や報告書作成にも活用できた」といった声が多く聞かれます。
自社の強みを掘り起こし、共有し、そして未来に向けた戦略を描く。そんな一歩を、SWOTワークショップから始めてみませんか?
第1回 皆さんの知的資産(強み)を経営に活かしましょう
第2回 知的資産(強み)を発掘!見える化しましょう
第3回 知的資産経営報告書を活用!知的資産(強み)を知ってもらいましょう
第4回 知的資産経営報告書を配布しよう!会社案内との違い