育成と定着

こんにちは!中小企業診断士の内山です。
最近ご相談を受ける中で増加しているテーマの1つに「人手不足」があります。
「いまどき求人はハローワークだけだと来てくれないですよね?」
「やはりビジョンをしっかり掲げないとダメなのだろうか?」
「ホームページはあるけどSNSも始めないと見てくれないかな?」
「やっぱり知人からの紹介が一番いいよ、滅多にないけど」
どれも大切な着眼点ですが、1つ気にしてもらいたいポイントがあります。
それは「採用→配置→育成→定着」という大きな流れの中の「採用」という入口部分だけフォーカスしていることです。
求職者の立場に立ってみると
「入社したあと、どうやって仕事を教えてもらえるのだろう?」
「スキルアップできるような環境かな?」
「就職後に上司や経営陣に意見を聞いてもらう機会はあるのかな?」
「会社の雰囲気はどんな感じなのだろう?」
「どんな方法で評価されてお給料に反映されるのだろう?」
といった情報が気になるのは想像に難くありません。
その時「とくに制度や仕組みは存在しません」という回答しか言えなかったら(あるいは発信できていなかったら)、せっかく情報が届いても興味を持ってもらいにくいものです。
また実際に入社してもらえたとしても、簡単でもよいので育成や定着に関する仕組みがない職場では「せっかく雇ったのに1年たたずに辞めてしまった」という声を多く耳にします。
お伝えしたいのは「採用」の後工程である「育成や定着」についても「採用」と同時並行で、むしろ採用よりも先に対策を講じる必要があるということです。ちょっと踏み込んだ言い方をすれば、育成や定着などの後工程に何の対策を何もせずに「採用」だけに注力するのは、穴の開いたバケツに一生懸命水を注いでいるような状態と同じです。
「最初1週間だけ研修をしたら、あとはOJTで現場の主任に任せきりになる」
「社内で仕事や仕事に関連する知識やスキルを学べる場はない」
「入社した後は、個人面談は年に一回もしていない、立ち話くらい」
「評価や昇給に基準はない、社長の勘と業績次第」
こうした状況を変えた会社は、確実に変化の兆しが出始めていると日々感じます。
大手企業が給料をアップさせて、給与額では太刀打ちできない状況になってきています。
それならば、せめて育成や定着、もっといえば「働きがい」に関することについては、自信をもってアピールできる会社になれたらと思いますし、私自身も、そうした思いを共有しながら日々仕事に取り組んでいきたいと思います。