中小企業診断士は「逆Tの字型」の事業展開を

中小企業診断士の藤巻雄司です。
診断士となって30年が経過しました。昨今、診断士として独立する方が増えて来ましたので、私の考えてきた経営方針が、皆さんの診断士事務所経営の一助になれば幸いと思い、筆を執ります。
診断士も経営者です。自分の事務所・会社の経営が軌道に乗ることが重要です。自らが経営者として成功してこそ、支援先にモノが言えますし、無理な営業をせずに真に相手の立場に寄り添った支援が出来ると思っています。
そのために私が長年考えてきた診断士としての経営方針は、「逆Tの字型」の事業展開です。診断士は幅広い経営知識が必須で、幅広い業務に対応できることが強みです。その強みを活かして幅広く業務を受託し、最低限の経営基盤を確立することが第1歩となります。これが逆Tの字の下線部分となります。
そのうえで、経営の核となる業務を確立し、確固たる経営基盤を築くことが重要です。これが逆Tの字の、上に伸びる縦線となります。縦線をいかに伸ばせるかが、経営を左右します。
縦線は自分の適性と強みを活かせる業務が相応しいことは言うまでもありませんが、いろいろと試してみて行きつくものかもしれません。私のケースですと、縦線は、人事制度からM&Aへと代わりました。
先日、M&Aのアドバイザーを養成しているコンサルティング会社のインタビューを受けました。M&Aアドバイザーとして独立した方々は、新規案件が受託できないこと、そして成約に至るまでの間の収入が無いこと、の2点が大きな悩みとのことで、それに対して弊社はどう対応してきたかを問われました。弊社は診断士として多くの経営者を支援し、関係機関などとも深く関わってきたことから、比較的スムーズに新規案件が受託できたこと。そして成約と成約の間が空いても、診断士としてベースとなる収入があったのであまり困らなかった、という回答をしました。改めて、診断士としてベースとなる下線の業務を行える優位さを認識することができた次第です。
診断士は何にでも挑戦できる資格です。下線としての基礎固めを第1歩とし、その後は、他の診断士との差別化も視野に入れた縦線を追求してみてはいかがでしょうか。

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