心の奥に潜む購買理由:あなたのインサイトは?
こんにちは。長野市の企業に勤務している中小企業診断士の中澤です。
私たちが何かを購入する際、その理由をどれだけ理解しているでしょうか。
例えば、仕事終わりにビールを買って帰るとき、その選択には何が隠れているのでしょうか。単に喉の渇きを癒したいという単純な理由だけではないかもしれません。もしかすると、仕事のストレスを忘れ、心地よく酔いたいという願望があるのかもしれません。
このように、私たちの選択には、意識していない深層心理が関与しています。この無意識の欲求を「インサイト」と呼びます。
私がビールを飲みたいと思う理由は、仕事の疲れを癒し、帰宅後に仕事のことを一切忘れたいという切り替えのための手段です。つまり、私のインサイトは「オンとオフの切り替え」を求めるものであり、その瞬間を楽しむことが重要なのです。
ですから、仕事後にオフに切り替え、楽しそうにビールを飲む女優がCMをしている銘柄を選んで購入しているのでしょう。
最近、車を買い替えようと考えた際には、思い切って黄色い車を選びました。普段は控えめな選択をする私が、なぜこの明るい色を選んだのか、自分のインサイトをじっくりと分析してみました。
これまでの私は、人からの評価を気にし、目立たないようにすることが多かったのです。しかし、最近、人生は有限であることを実感する出来事があり、「やりたいことはすべてやる」という思いが強く芽生えました。
人の目を気にせず、自分らしい選択をすることが、私の優先順位として高まったのです。
その結果、直感的に「かわいい」と感じた黄色の車を選びました。これは、地味な自分を脱ぎ捨て、より明るく自信に満ちた姿を表現するための一歩でもあります。この選択には、自分自身の変化への期待が込められているのです。
物を販売する際、ターゲットとなるお客様の深層心理を理解することは極めて重要です。彼らが何を求め、どのような課題を解決したいと思っているのかを知ることで、訴求すべきポイントが明確になります。
中小企業診断士としてマーケティングに携わるとき、自分に近い特性を持ったターゲットのインサイトを想像するのはたやすいですが、自分と遠い特性の人のインサイトを想像する必要があることも出てきます。日頃からいろいろな人と交流してお話をし、常にアンテナを張っておくことを意識して行っています。
あなたが何かを買うとき、その理由を深く考えてみると、自分でも気づいていなかった心の奥深くが見えてくるかもしれません。