山村留学
みなさん突然ですが、「山村留学」という制度を耳にされたことはありますか?「山村留学」とは“自然豊かな農山漁村に、小中学生が一年間単位で移り住み、地元小中学校に通いながら、さまざまな体験を積む”活動のことを指します(参照:NPO法人全国山村留学協会HP)。そして、その活動は長野県八坂村(現大町市八坂)で昭和51年に始まりました。以後活動は全国各地に広がり、2022年度実態調査データによると、22道府県で664人の小中学生が参加しています。
参加する小中学生は、四季を通した自然体験、キャンプなどの野外活動、小規模校での授業、地元住民の方との交流などを通して、生きる力を自ら育んでいきます。集団生活の中で洗濯や掃除も自ら行い、幅の広い年齢層の子どもたちがお互いの役割を担いながら人間性を養って行きます。ちなみに日常生活はノーテレビ・ノーゲームで、スマホ・携帯電話もNGです。
ご存知の会員の方もいらっしゃいますが、私の一人息子も今年から山村留学生になりました。入園当初はホームシックになったこともあったみたいですが、良い仲間たち(お兄さんお姉さん)に恵まれ、一学期の活動を元気に終えて我が家に帰省しました。心なしか身体も一回り大きくなった気がしました。これも日々の活動の中で鍛えられた賜物かと思います。
少子高齢化・人口減少社会が加速する中で、地方の小中学校は存続の岐路に立たされています。またAI社会の到来により、私たち人間の生き方・働き方が大きく変わろうとしています。人間の成長と地方の存続の両面に寄与する「山村留学」制度が更に発展するように、保護者の立場から支えて行きたいと思います。
卯之原拓也