こんにちは、中小企業診断士の中澤俊成です。
私の一日は起床してすぐにコーヒーを飲みながら日本経済新聞(日経)と信濃毎日新聞(信毎)をじっくり読むことから始まります。最初に日経を1面から最終面まで読み、次の信毎は最終のテレビ面から1面に向かって読むのがお決まりのパターン(理由は不明)
特に信毎社会面の見出しの小さい県内の事件や事故の記事は何故かしっかり目を通します。長野県だけでも、これほど多くの、それも信じられないような事件や事故が日々発生しているのを知り、毎日のように何らかの驚きがあります。
中小企業の経営支援を主業としている私にとって、どの会社でも発生する可能性がある不正事件は特に気になります。そうした不正事件の記事を「不正のトライアングル」の観点で読み込むと不正予防策を考えるトレーニングになります。
不正のトライアングルとは?
米国の組織犯罪研究者ドナルド・R・クレッシーの研究によると、不正を犯す人には3つの不正リスク要素が存在するとのことです。
【動機・プレッシャー】
他人とは共有できない私的な問題(借金苦、失業の危機などの経済的問題)や組織的立場の問題を抱え、合法的なやり方では解決できない者が行う可能性がある。
【機会】
信頼に基づく権限の集中や相互牽制の不足など、主に内部統制の不備による生じる。また、内部統制の弱点を知る者がそれに付け込んで行う場合もある。
【正当化する理由】
他の人もやっているので自分の行動(横領など)は問題ない、財務諸表を粉飾するのは会社のためになるなど、自らの行動を正当化する理由で不正を行う可能性がある。
上記3つの要素が全て揃った時に不正は発生するとされています。人がなぜ、不正に手を染めてしまうのか、その心理の謎を解明し、3つの要素の重なりを可能な限り排除することが不正対策に有効であると考えられています。
経営者(管理者)の皆さん、身近にある「不正のトライアングル」を見落としていませんか? 無意識のうちに「機会」を与えていませんか?