強みを探すお手伝い
昨年、長野県に引っ越して新たに会員となった中小企業診断士の上原昭一と申します。
仕事柄、経営計画の作成支援や助言を行う機会が多く、その中で大切にしていることを書かせていただこうと思います。
私は、どちらかというと経営資源が十分とは言えない小規模事業者や個人事業の方の支援を担当することが多いです。資源に制約がある中、新たな一歩を踏み出すため、融資や補助金等の活用につながるよう支援を行っているのですが、その過程で内部資源の分析、特に「強み」の把握について、力を入れていく重要性を日々感じています。
事業者が有する資格や許認可、経歴等、顕在化・可視化できるような強みは把握しやすいものです。人に説明もしやすく、客観的にわかりやすい内容です。
私は、そこから一歩踏み込み、なぜその強みを有することになったのか、その根源・深淵の一部に触れさせていただいて、事業者の潜在的・不可視な想い・信念等を強みとして明らかにするよう努めています。
そのプロセスにおいて、自分の多様な経験が役になっているように感じています。私は前職で営業や物流、福祉等の職種に関する様々な経験だけでなく、ベンチャー的な気質の部署、年配者中心の硬い雰囲気の職場、若い人中心の明るく前向きな雰囲気の職場、休みを問わないややブラックな業務・取引先等、環境に関しても幅広い経験を積ませていただきました。さらに転勤族だったため、同じ組織でも土地ごとに異なる風土の違い等も経験してきました。このようなバックグラウンドに基づいて、能動的に事業者の強みにフォーカスした分析を行い、事業者の個性を意識したフィードバックをすることで相手の気づきや腹落ちから、信頼関係の構築つながっていくことがあります。
こうした事業者の強みを把握し、計画にいかしていくことで、一つのストーリーとしてまとまって唯一無二の輝きを放つものと考えています。これからも事業者の個性を引き出せるよう、過去の分析だけでなく、共に未来の可能性の追求につなげられるような支援を目指して、研鑽を積んでいきたいと思います。