夏の読書

みなさんこんにちは。コラム執筆2回目です。前回は趣味の話をしましたが、今回はこの夏に読んだ書籍を紹介します。

紹介する書籍は「成長の臨界“「飽和資本主義」はどこへ向かうのか”」(河野龍太郎著・慶應義塾大学出版会)です。著者はBNPパリバ証券に在籍するエコノミストです。人気エコノミストとして、新聞寄稿やテレビ出演で活躍されていますのでご存じの方もいらっしゃると思います。私は定期的に発行されている経済レポートを愛読しています。その著者が、経済・金融からのアプローチのみならず、グローバル・歴史的・政治的視点など多角的視点から日本経済を論じた書籍です。長年にわたるエコノミスト活動の中で凝縮された分析の結果が詰まっていると言えます。

私は大学在籍中にバブル景気が崩壊した就職氷河期第1期生です。失われた30年とよく言われていますが、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と評価された日本経済がなぜここまで低迷したのかずっと疑問に思っていました。デフレや人口減少が問題であると評されますが、何となくしっくり来ないというのが率直な思いでした。

そうした思いの中でこの本を読んだ時に、なるほどそうだったのかと長年の溜飲が下がりました。ネタバレになりますので詳細は割愛しますが、貿易・労働経済・社会保障・金融・財政・企業の問題が絡み合っており、どれか1つを解決しても一気に長期停滞が解決されるという話では無いと結論付けています。ちなみに、分析に際して多面的にアプローチする視点を持つことが必要であるとも述べていますが、企業の経営支援を行う私たちにとって欠かせない要素だと考えます。

問題点が明確になれば、その処方箋も気になるところです。ビックリしたのは、私たちが日頃の研究会活動を通じて勉強・ディスカッションしているテーマと同じ論点が述べられていたことです。これから先進国で残る仕事もその分野であると提言しています。中小業診断士の役割の重要性を改めて肝に銘じました。500頁に及ぶ長編書籍ですが、関心のあるテーマでしたので一気に読破してしまいました。

これから1年で最も過ごしやすい秋のシーズンが本格化します。皆さんも食欲・スポーツ・読書の秋を満喫下さい。今年は鉄道開業150年の記念の年にあたりますので、私は行楽の秋を楽しみたいと思います。

卯之原

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