サービスとは何か?
商品を購入する際に「サービスさせていただきます」言われることがあります。言われたほうは悪い気はしないのですが、誤った言葉の使い方をされているのではないかと、気がかりになります。
サービスとは、価格を値引くとか、無料にすることではありません。にもかかわらず、そういった意味合いで言葉が使われていることが、多く見受けられます。
本来のサービスは、お客様に「来てよかった」「ここまでしてくれて感動した」と思ってもらえるように満足してもらい、再度、お店に来てもらえるような関係を築くことが本来の目的なのです。なので、価格を値引くとか、無料にすることは、その手段にすぎないのです。
その手段を履き違えてしまうと、価格を値引くことが目当てのお客様ばかりを引き寄せてしまうことになります。値引きによって引き寄せられたお客様を見て、当店はお客様から「評価されている」「支持されている」と勘違いしてしまいます。値引きによって引き寄せられたお客様は「もっと他に安いところはないのだろうか」と他の店を探し回る行動に走り、言葉が悪いですが浮気性のお客様なのです。このお客様を引き留めるには、さらに値引きをしないと、お客様に逃げられしまい値引きの悪循環にはまってしまうのです。間違った認識のサービスは、安易で楽な方法で一時的にお客様を集客できるかもしれませんが、価格競争に陥ってしまい長続きしないのです。
サービスの目的は、お客様に満足してもらい、お客様と長期的な関係を築きあげることなのです。そのためは、お客様は何を望んでいるのかニーズを把握し、お店の特徴を明確にして「喜んでもらう」「満足してもらう」価値を提供していくことが求められるのです。
価格を値引くとか、無料にすることことは、あくまでも手段なのです。それに頼ることは、あまりにも危険な考えなのです。
中小企業診断士 羽田巧