行きはよいよい?
こんにちは。中小企業診断士の北原貴穂です。
今回は関心をお持ちの方も多い、各種補助金、助成金のお話です。
1 応募の際に気を付けること
補助金によっては募集期間が非常に短いものがあります。そのため、こまめな情報収集は欠かせません。具体的には中小企業庁 http://www.chusho.meti.go.jp/ ミラサポ https://www.mirasapo.jp/ などのサイトが役に立ちます。
応募書類については、①必要書類が揃っているか、形式が整っているか(誤字脱字が無いかも含めて)②内容がわかりやすく、補助金の趣旨と合致しているか この2つの観点から準備する必要があります。 と言ってしまうと簡単なようですが、補助金によってはこの応募手続きだけでかなりの事務負担が発生します。
2 書類のチェックと審査
書類に不備が無いかのチェックの後、いよいよ合否を決める審査となります。採択率(合格率)は20、30%くらいから50%を超える場合もあります。応募締切から採択結果の発表までは最低1、2ヶ月かかりますが、ここで注意が必要なのは、補助金を利用して行おうとしていること(補助事業と言います。)には着手できないということです。「補助金を出すことに決まったから始めていいですよ。」というお知らせがあってからのスタートになります。
3 採択通知
さて、無事応募書類が合格となると、その旨の通知が来ます。(不合格でも通知が来るのは各種の試験と同じです。)ここで注意が必要なのは、補助金の申請が採択されたらすぐにお金がもらえるわけではないことです。精算払いと言いますが、いったん自己資金や借入でお金を用意して補助事業を行い、完了後に報告・請求をしてはじめてお金がもらえます。採択から支払いまでの間が半年以上かかることは珍しくありません。
4 事業の実施
やっと事業に着手することになりました。後々補助金が支払われなくなったり、減らされたりしないよう、出来れば関係機関、支援機関にこまめに確認を取りながら進めると良いでしょう。各種書類の作成、整理、保管をしながら進めます。また、事業には実施期間というものがありますので注意が必要です。決められた期間内に進めなくてはなりません。フライングもだめ、タイムリミットあり、ということです。
5 報告・請求
予定していた事業が完了したら、実績報告という作業が待っています。これも決まった期日までに提出しなくてはいけません。「このように予定していた事業が完了しました。」という報告書類を作成するのですが、これが応募書類の何倍、何十倍も大変で面倒な作業になります。最近は応募書類が簡単になってきてもいるため、採択されて補助金は確実にもらえるものと思って気を抜いていると、この段階で確実に泣きを見ます。報告書類に不備があったりするとここで補助金が減らされたり、場合によってはもらえないケースもあります。補助金は「行きはよいよい、帰りは恐い」なのです。
報告が無事チェックを通過すると、1、2ヶ月で入金となり、無事終了と・・・・・
なるものとそうでないものがあります。補助金によってはその後数年、状況報告が必要なものもあるのです。本当に「行きはよいよい、帰りは恐い」なのです。
今回は補助金のお話でした。
今回は忘年会シーズンを控え、「帰りが酔い酔い」になりがちな 北原貴穂が担当しました。次回もお楽しみに!